全国安愚楽牧場被害対策弁護団

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2012/12/28   本日、海江田万里氏の民主党代表就任に対する声明を発表し、海江田氏本人及び民主党並びに与党である自民党と公明党に送付しました。
 
 全国安愚楽牧場被害対策弁護団では、12月25日の海江田氏の就任に受け、急きょ、昨日12月27日の弁護団会議で決定し、本日、次のとおり、声明文を発表しました。
 
 

海江田万里氏の民主党代表就任に対する声明



  2012年12月28日
   
全国安愚楽牧場被害対策弁護団  団  長 弁護士 紀  藤  正 樹
副団長 弁護士 平  澤  慎 一
副団長 弁護士 鈴  木  喜久子
副団長 弁護士 塚  田  裕 二
副団長 弁護士 木  村  裕 二
事務局長 弁護士 中 川 素 充
(連絡先)
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目7番地
麹町パークサイドビル3階
リンク総合法律事務所内
団  長 弁護士 紀  藤  正  樹 

電 話 03-3515-6681
http://agurahigai.a.la9.jp/




 我々は,株式会社安愚楽牧場に出資をした被害者約6400人から依頼を受けた弁護団です。当弁護団は,長年和牛預託商法を続けてきた,安愚楽牧場が,2011年8月1日に事実上破たんしたことを受け,安愚楽牧場の被害者を救済するため,2011年8月10日,東京の三弁護士会である東京弁護士会,第一東京弁護士会,第二東京弁護士会の各消費者問題対策委員会の委員有志により結成されました。現在61人の弁護団員で構成されています。

 さて株式会社安愚楽牧場は,2011年8月1日,配当,預託金返還等が困難となり事実上破綻し,いったん民事再生手続が開始されましたが,同年12月9日,破産手続開始決定となり,現在破産手続が進行中です。出資者である被害者は全国で約7万3000人,出資金額は約4300億円とされており,被害者数,被害金額からすれば,戦後最大の投資被害事件といえます。

 安愚楽牧場の和牛預託商法については,破綻前まで,様々なテレビ,雑誌,書籍などで広く紹介されており,中には出資を推奨するものもみられました。

 そのなかでも「経済評論家」として多くの雑誌や書籍で安愚楽牧場の和牛預託商法を紹介していたのが,今般,総選挙で再選し,民主党の代表となった海江田万里氏(以下「海江田氏」という。)です。
 
 例えば,海江田氏は,かつて安愚楽牧場の和牛預託商法を紹介した記事や著作物で,

・「13.3%の高利回りは驚異的だ」「元金確実で,しかも年13.3%と考えれば,他の金融商品はまっ青!」(書籍・「今どうすれば一番損をしないか」)

・「和牛の死亡率は0.4%と低く,また万一そのような事態があっても代わりの牛が提供されるので,契約どおりの利益は保証されます」(雑誌・「BIGMAN」昭和63年3月)

・「知る人ぞ知るといった高利回りの利殖商品」「むろん元本は保証付き」
(書籍・「海江田万里の金のなる本」)

・「この利益は申し込み時に確定していて,リスクはゼロ」
(雑誌・「女性セブン」平成4年7月2日)

・「利益は申し込みをした時点で確定していますから,リスクもありません。」
(雑誌・月刊ドリブ「DoLive」平成4年9月)

などと,あたかも,元本保証がなされ,リスクがないと述べていました。

 当時,海江田氏は,著名な「経済評論家」として,様々なメディアに出演し,雑誌や書籍などを通じて,「財テク」をすすめており,社会的な信用力と影響力を有していました。このような立場からすれば,安愚楽牧場の和牛預託商法の危険性を認識できたし,また,認識すべき立場にあったのであるから,記事や書籍などで紹介する際にもそのリスクを示すべきであり,安愚楽牧場の事業実態などについても調査・確認をすべきであったと思われます。しかしながら,海江田氏は,漫然と安易に安愚楽牧場を紹介し続け,また「経済評論家」としての執筆料等の利益と便益を享受してきました。

 被害者の中には,「経済評論家」である海江田氏の記事や書籍を信用し,安愚楽牧場に出資をした者が多数います。中には,国会議員に転身した同氏を信頼し,出資を維持し,さらには,出資額を増やした被害者すらいます。

 海江田氏の「経済評論家」として安愚楽牧場を推奨・宣伝したことは,専門家としての立場を併せて考えれば,責任は重大です。

 そこで当弁護団は,平成24年6月18日,依頼者のうち海江田氏の記事や書籍をきっかけに安愚楽牧場に出資した人のうち94名を申立人として,海江田氏に対して,その損害額である15億8288万1000円の10%にあたる1億5828万8100円について.,賠償に応じるように求める民事調停を東京簡易裁判所に申し立てました。そして,同年8月2日,10月11日,11月15日と3回にわたり,調停を行ってきました。

 しかし,海江田氏は,当初から一貫して責任を認めようとせず,総選挙前を避けて期日調整をした次回期日(平成25年2月5日)では、調停が不調になることが見込まれます。
 
 戦後最大の消費者被害事件とも言うべき安愚楽牧場の事件に関わりながら,その甚大な被害に対して誠実に対応しようとしない人物が,野党第一党として,現政権と対峙する立場の政党の党首として選任されたことについて,当弁護団は深く憂慮しています。
 当弁護団は,改めて,公党の代表者となった海江田氏に対し,本件の被害者に対して,責任を認め,誠実な対応をすることを求める次第であり,また民主党に対し,代表者が関わった安愚楽牧場の被害について,被害者の具体的な救済に向けた政策や立法を強く求める次第です。

以上




 なお来年1月30日の三ヶ尻久美子の第2回債権者集会の後、都内で、午後5時30分(5時開場)から 当弁護団主催の第3回依頼者向け説明会を行います。場所等の詳細を記述した弁護団ニュースを、本日、依頼者全員に送付させていただきました。

 郵便事情の関係もありますが、年末年始の間には、お手元に届くと思います。ご確認ください。






2012/12/19   急きょ、三ヶ尻久美子の債権届け出の期限が延期されました。

 裁判所から連絡をいただき、三ヶ尻久美子の債権届け出が、正式に次のとおり変更されて、延期されました。
 
 変更前の期間 平成24年12月25日まで ⇒ 変更後の期間 平成25年2月28日まで

 三ヶ尻久美子に対する債権届け出期限は、当初今年2月8日だったものが、さらに6月25日へ、そしてさらに12月25日に延期されていましたが、今回で、3回目の変更です。

 これにより、責任原因につき、法律構成上の論点がほぼ同一である、安愚楽牧場の役員であった三ヶ尻勲、増渕進両名の債権届け出の期限が期間である来年2月28日と、同一となりました。


 以上により、今後の安愚楽牧場の予定の手続は、整理すると次のとおりとなります。
 なお当弁護団としては、これまでの弁護団の活動と裁判所の進行などについてのご説明のために、依頼者向けの説明会を、三ヶ尻久美子の債権者集会の後、2013年1月30日午後5時30分から、都内で行う予定としています。

 ご依頼者の方は、ぜひご参加ください。


2013/1/22 午後1時30分から午後3時 安愚楽牧場 裁判所主催の第2回債権者集会 (日比谷公会堂
午後4時30分から午後6時 安愚楽牧場 破産管財人主催の説明会 (日比谷公会堂
2013/1/30 午後1時30分から 三ヶ尻久美子の第2回債権者集会 (東京家裁簡裁地裁5階・地裁民事20部 債権者集会場
午後5時30分から 当弁護団主催の第3回依頼者向け説明会(会場は「弁護団ニュース」で告知します。)  
2013/02/28 三ヶ尻久美子、三ヶ尻勲、増渕進の債権届出の期限
2013/03/05 午後1時30分から増渕進、午後3時から三ヶ尻勲の、各第2回債権者集会 (東京家裁簡裁地裁5階・地裁民事20部 債権者集会場
2013/03/11 大石勝也の債権届出の期限
午後1時30分から、大石勝也の第1回債権者集会 (東京家裁簡裁地裁5階・地裁民事20部 債権者集会場




各 債権者集会の場所

  □ 日比谷公会堂
    〒100-0012
    東京都千代田区日比谷公園1‐3
    TEL 03(3591)6388 FAX 03(3591)6389
    http://hibiya-kokaido.com/
     
      詳細地図=PDF
    

□ 東京家裁・簡裁・地裁合同庁舎内 東京地裁民事20部=債権者集会場5階
    〒100-8971
    東京都千代田区霞が関1-1-2 
    TEL 代表 03-3581-5411



    









 
2012/9/27   本日の消費者庁からの回答2012年8月27日付「安愚楽牧場被害に関する解決要求書


 消費者庁からは、本日、午後4時30分に、次のような回答を口頭で得ました。


 平成24年8月27日付で野田総理及び松原大臣宛に送付がありました安愚楽牧場被害に関する解決要求書につきまして、次のように回答します。

1 国の加害責任を認め、それに基づく謝罪と賠償をするようにとの御要求に対しましては、現時点ではコメントを差し控えさせていただきます。

2 真相究明と再発防止の御要求に対しましても、現時点ではコメントを差し控えさせていただきます。
 
 なお、消費者庁としては、昨年11月に安愚楽牧場に対し景品表示法違反を理由として行政処分を行いました。また、その調査の結果、繁殖牛が十分に確保されていないことなどが明らかになったことを踏まえて、現在、消費者基本計画に基づき、政省令、通達などで速やかに対応可能なものについて検討を行っているところです。

3 福島前消費者庁長官に対する退職手当の支払いにつきましては、国家公務員退職手当法の規定により既に支払を実施しております。

以上



 具体的には、松原仁大臣も、阿南久長官も立会いをせず、現時点で、預託法を所管する消費者庁取引対策課の課長の山下隆也氏が、手元にあるメモをそのまま口で述べて、これを弁護団で書き写したものです。消費者庁からは、ほかに、課長補佐の岸本宏之、主査の島津千明氏が立会いました。

 弁護団からは、出席人数を限られたこともあり、 紀藤正樹団長(第二東京弁護士会)、平澤慎一副団長(東京弁護士会)、塚田裕二(第一東京弁護士会)副団長、中川素充事務局長(東京弁護士会)が立会いました。

 まったくの三行半の回答ではない、この回答に対する総合的な評価は別途きちんと検討するとしても、「現時点ではコメントを差し控えさせていただきます」という以上、「コメントを述べる目処」をきちんと明らかにしてほしいと思いますので、当弁護団としては、引き続き、政府に対し、この問題を追求していく予定です。

 この点、今回の回答の席で、弁護団から個別に質問を差し上げても、何も答えられない裁量権のない山下課長が対応するだけでは不十分であると考えており、松原仁大臣ないし阿南久長官が立会いをされなかったことについては、消費者行政のトップが、安愚楽牧場が戦後最大の消費者被害であることの重大性を十分に理解されているのか、また消費者目線に立って創設された消費者庁の創設時の原点を忘れていないのか、という点で、非常に問題であると考えています。

 また今回、消費者庁が、文書での回答ではなく、メモをそのまま読み上げるという対応をされたことについても、まるでクレーマー対応に等しい対応であり、口述筆記が可能である以上、かえって労力を消費者にかけるだけの全く無意味かつ不誠実な対応だと思いますので、消費者目線に立って創設された消費者庁の原点に立てば、消費者に対しては、あってはならない対応であり非常に心外だと思いますので、厳重に抗議をし、改めて文書による回答を求めたところです。





2012/9/21   大石勝也の破産決定が出ました

 破綻した株式会社安愚楽牧場の元取締役の大石勝也に対して、9月19日付で、破産が決定しました。

 本日、たった今、裁判所から、決定書が送付されてきました。

 破産管財人は、三ヶ尻久美子元社長(最後まで代表取締役)、元取締役の増渕進(三ヶ尻久美子の弟 2011年5月24日辞任)、同三ヶ尻勲(三ヶ尻久美子の死亡した夫「三ヶ尻忍」の弟 但し2012年4月4日死亡 2011年7月29日辞任)と同一の柴田祐之弁護士です。

 あわせてお知らせします。

 当弁護団では、資産隠しは許さないという観点から、三ヶ尻久美子元社長、元取締役の増渕進、同三ヶ尻勲らに破産の申立をし、いずれも認められてきましたが、2011年8月1日の破たん時の3年前の2008年3月31日付で取締役を辞任している大石勝也に対してもその責任の追及が不可欠だと考え、本年5月9日付で破産申立をし、6月29日、7月26日、8月8日の期日を行い、ようやく4か月を経て、ようやく認められました。

 これらの活動も水面下で行ってきましたが、破産決定が出されましたので、公表します。


 1 破産管財人東京都千代田区永田町2丁目11番1号山王パークタワー21階 LM法律事務所 弁護士柴田祐之

 2 債権届出期間 平成25年3月11日まで

 3 財産状況報告集会・計算報告集会・破産手続廃止に関する意見聴取のための集会の各期日 平成25午3月11日午後1時30分

 4 債権調査期日 平成25年3月11日午後1時30分


 ⇒□ 大石勝也 破産決定=PDF 
 ⇒□ 大石勝也 破産手続開始通知書=.pdf


 なお破綻した株式会社安愚楽牧場の元取締役の増渕進と同三ヶ尻勲の債権者集会の期日が、それぞれ、10月2日午後1時30分、午後3時に予定されています。重ねてお知らせします。オーナー債権者であれば出席が可能とされています。⇒ 2012年3月22日付速報 参照

  ⇒印刷用 裁判所の地図=PDF





2012/8/27   本日午後3時30分、国の責任を求めて、記者会見をしました。


 安愚楽牧場の被害については、国の責任が甚大です。

 下記の要求書を、国、具体的には本日、松原大臣宛に速達の配達証明郵便で送付しました。「まだ届いていないので回答できない」などという無意味なコメントを出されることを防止するため、大臣室宛に、FAXもしています。

 回答期限を1か月以内としていますので、9月27日(木)が最終の解答期限です。

 松原大臣からは、誠意ある回答を頂きたいと考えます。
 
 
 2012年8月27日付「安愚楽牧場被害に関する解決要求書」⇒PDF


安愚楽牧場被害に関する解決要求書

 

内閣総理大臣 野田佳彦 殿

御担当 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 松原 仁 殿

 

2012827

 

全国安愚楽牧場被害対策弁護団

団長 弁護士 紀藤 正樹

 

連絡先:〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7

麹町パークサイドビル3

リンク総合法律事務所

TEL0335156681

 

要求の趣旨

1 国は,安愚楽牧場の破綻により,甚大な被害が生じたことについて,自らの規制権限の不行使が原因の一つであることを真摯に受け止め,加害責任を認め,被害者に謝罪すること

2 国は,安愚楽牧場の被害者に対して,賠償をすること

3 国は,安愚楽牧場に対する調査等を行わなかったことについて,その原因等の真相を究明し,広く国民に公表すること

4 国は,こうした被害を繰り返さないために,預託法等の改正をはじめとする徹底した再発防止策を講じること

5 前消費者庁長官に対する退職金の支払いを行わないこと

6 上記要求事項について,1ヶ月以内に回答すること

 

要求の理由

第1 はじめに

 我々は,安愚楽牧場に出資をしたオーナー債権者から依頼を受けた弁護団である。

 201181日,株式会社安愚楽牧場は,配当,預託金返還等が困難となり事実上破綻し,民事再生手続が開始された。その後,現経営陣を温存した形での破綻処理が破綻し,同年129日,破産手続開始決定となった。出資者は約73000人,出資金額は約4300億円とされており,被害者数,被害金額からすれば,戦後最大の投資被害事件といえる。

 しかし,以下に述べるように,これは単なる民間企業の破綻ではなく,国が本来行使すべき規制権限を適正に行使しなかった不作為により発生した被害であることは明白である。

 

第2 安愚楽牧場の被害と国の不作為について

1 事実経過の概要

 安愚楽牧場は,198112月の設立以来,

・オーナーが繁殖牛を購入させて,その飼育を安愚楽牧場に委託する。

・オーナーに対して,契約期間中,購入価格の38%以上の利益金を生まれた子牛の売却代金等の名目で毎年支払うとともに,契約期間満了時に繁殖牛を購入価格と同額で買い戻す。

という和牛預託商法を行っていた。

 和牛預託商法については,当初から様々な問題点が指摘されていた。例えば,繁殖牛が確実に毎年子牛を産むことはあり得ないにもかかわらず,利益金は毎年支払われていたこと,牛の価格が市場価格からかけ離れていることなどから,継続的に新規オーナーの加入がなければ,この投資スキームは維持することができず,いわば自転車操業であった可能性が極めて高いことなどである。そして,90年代半ばに投資詐欺事件として一度社会問題となり,97年には東京3会を中心に被害対策弁護団が結成され,安愚楽牧場とふるさと牧場を除く大半の業者が破綻した。それとともに,19978月には,牛が預託法の指定商品に追加され,和牛預託商法は預託法の規制下におかれるようになった。

 2007年にはふるさと牧場が破綻し,預っていた数の牛が存在しないとして,農水省が預託法違反等により行政処分をし,翌2008年には同社の役員が刑事事件で立件される事態となった。そして,このように過去に何度も預っている牛が実在しないという事件が発生しており,和牛預託商法では牛の実在性について監督官庁は厳しく検査して監督してゆく必要性がもとめられていたにもかかわらず,2009年には所轄官庁が消費者庁に移管されたものの,安愚楽牧場については破綻後に至るまで何ら実質的な調査等は一切行われることはなかった。

 そして,そのまま破綻に至ったのである。

 

2 預託法による規制権限とその不行使の違法

 預託法は,預託等取引業者に報告義務を課し,国に立ち入り検査等の調査権限を認める。そして,契約の締結等の勧誘の際に,特定商品の保有の状況等顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について,事実の不告知,不実の告知をはじめをとした,預託法違反の行為をし,かつ,当該行為を引き続きするおそれがあると認めるときには,業務停止命令等の処分を科すことが出来るとしている。

 しかるに,農水省も消費者庁も何ら実質的な調査を行ってこなかった。

 安愚楽牧場の破綻後,繁殖牛の全頭数が,オーナーの持分及び共有持分を合計した数値に比して過少であったことが判明している(2007年以降で55.969.5%)[20111130日,安愚楽牧場に対する景品表示法違反(優良誤認表示)による行政処分の理由]

 ならば,遅くとも「ふるさと牧場」が破綻し,20071220日に警察の捜査が入った時点で,同種事業を営む安愚楽牧場についても,預託法ないし景表法に基づき,実質的な調査等がなされていれば,繁殖牛の総数とオーナーの持分の合計が不一致であることや牛の売却益では配当や牛の買取代金の還元を出来ないことは容易に判明し,被害者,被害金額の増大は防ぐことが出来たはずである。実際に,2009331日時点でオーナー数約48000人,出資額約2900億円だったのが,破綻時にはオーナー数約73000人,出資額約4300億円へと急激に拡大していったことからして,尚更である。

 よって,農水省ないし消費者庁において,安愚楽牧場が破綻に至るまで実質的な調査等がなされなかったことについては,規制権限不行使の違法が認められるべきである。

 なお,松原仁消費者担当大臣も,平成24221日の衆議院予算委員会にて「この問題に関して、そのことに関して極めて遺憾であるというふうに思っておりますし、今の立場としては、それは申しわけないなというふうに思っております。」と述べている。

 

第3 要求事項

1 加害責任に基づく謝罪と賠償

 被害者であるオーナー債権者らは,安愚楽牧場の破綻により,老後の生活や学資,家の新築など将来に備え長年蓄え続けてきた資産を一挙に失ってしまうことになった。また安愚楽牧場が,安定して配当を行うことを喧伝してオーナーになるように勧誘していたことから,配当を生活の糧として人生設計をしていた被害者も多かった。被害者らの財産的な損害及び精神的苦痛は甚大である。

 そして,このような結果に至ったのは,上述のように,国の規制権限不行使の違法行為によるものである。

 安愚楽牧場は,現在,破産手続を進めている。しかし,破産管財人により回収・換価された資産は,ごくわずかに過ぎない。

 よって,国は,被害者であるオーナー債権者に対して,加害責任を認めて謝罪をし,少なくとも出資相当額の賠償をし,被害回復を図るべきである。

 

2 真相究明と再発防止

 破綻に至るまで,安愚楽牧場に対して,国による実質的な調査等がなされなかったことなどについて,農水省及び消費者庁等にある全資料を公開した上で,外部機関による真相究明の調査を行うべきである。そして,その調査結果を受けて,こうした甚大な消費者被害を再発させないように再発防止策を講じるべきである。

 

3 消費者庁長官の責任

 こうした戦後最大の消費者被害と言うべき安愚楽牧場の被害に関しては,消費者庁の責任は重大である。消費者庁は,20099月に安愚楽牧場に関する案件を引きつぎ,2010年夏には安愚楽牧場から報告したい旨の連絡があったにもかかわらず,これを放置したことなどをはじめ,全く対応をしていなかったのである。

 当時,消費者庁の長官であった福嶋浩彦氏は,本年810日に退任しているが,何ら責任を負うことなく,退職金までも受領することは,被害者感情,さらには,国民の意識からしても乖離していると言わざるを得ない。

 よって,前消費者庁長官に対する退職金の支払いは行わないよう求める。

以上

 






2012/8/09   株式会社安愚楽牧場の破たんから1年を迎えるにあたり

 
 昨年8月1日の株式会社安愚楽牧場の事実上破たん、そして9日の同社の民事再生から1年。

 その1年目の節目の本日2012年8月9日、東京地裁20部から電話での連絡があり、破綻した安愚楽牧場の役員であった三ヶ尻勲、増渕進両名の債権届け出の期間が、8月31日から来年2月28日まで延期が決まりました。

 三ヶ尻久美子に対する債権届け出期限が、当初今年2月8日だったものが、さらに6月25日へ、そしてさらに12月25日に延期されたのと同様、被害者の多くが債権届け出をすることを前提とする措置です。

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団は、昨年の安愚楽牧場の破たんから、急きょ、8月10日に、安愚楽牧場の被害者を救済するため、東京の三弁護士会である東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の各消費者問題対策委員会の委員有志により結成されました。お盆の時期でしたので、弁護団の結成が非常に難しい時期だったにもかかわらず、多くの心ある弁護士に参加していただきました。明日でちょうど1年です。現在の依頼者数は6370人、弁護団員は59人です。

 この間、当弁護団も含めて、全国で13の弁護団(全国、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、静岡、東海、京都、大阪、兵庫、福岡、鹿児島)が設立され、各弁護団の緊密な連携と連絡の下、活動を続けています。全国の依頼者数は7608人で、債権者集会の招集権を持てる可能性のある、被害者総数の1割を超えています。

 一般の消費者被害で、ここまで被害者が団結した事件はありません。

 全国の弁護団の連絡会議だけで、先月までで24回を数えており、もちろん各地の弁護団で、弁護団会議以外にも、さまざまな活動を続けています。
 
 しかしながら被害者の団結と被害者からの情報も大切です。

 被害者の皆様方と連携しながら、弁護団としては、今後も最大限の努力を続けていきたいと考えています。





 2012/7/02    2012年7月2日付け「三ヶ尻久美子」債権者集会配布資料

1 これは速報です。 配布資料をご覧ください。
 
2 本日、平成24年7月2日午後1時半~2時15分ころまでの間、東京簡易裁判所の建物5階で、元安愚楽牧場代表取締役の三ヶ尻久美子の破産債権者集会が開かれました。

3 本日午後6時30分より、当弁護団の依頼者向け説明会の開催も予定されており、内容は、そちらでもご報告させていただきます。

  ※参加は、19時現在で、324人
   ※内、全国弁護団依頼者 316人
   ※内、各地弁護団依頼者   8人
   ※外 マスコミ 3社(毎日新聞、日本テレビ、時事通信)

4 破産者三ヶ尻久美子は、今回も欠席でした。

 ※ 三ヶ尻久美子欠席の理由について、裁判所からは、今朝、裁判所の方に体調が悪いとの連絡があった、診断書等は出ていない、との説明がなされました。申立代理人の土屋東一弁護士からは、持病の高血圧、うつ病、不眠症があり、今日付の診断書を、一両日中に追完予定である、今後も出席するようにとの働きかけはしていく、との説明がなされました。裁判所は、現時点で判断材料がほとんどないので、三ヶ尻の欠席が、詐病であるとか合理的な理由に基づくものかは現時点で判断できないが、合理的な理由のない欠席は、破産者の不誠実性を示すものとして、免責の判断にあたり考慮されうる、とのことでした。


5 なお出席者は、
 1)檀上:裁判長、裁判官2名、裁判所書記官1名、破産管財人(柴田祐之弁護士)、同破産管財人代理弁護士2名(倉橋 博文、狩野百合子両弁護士)
 2)申立人側:三ヶ尻久美子申立代理人(土屋東一弁護士)
 3)参加者 : 債権者代理人も含め30人で、なお200名が入れました。
  裁判所からは、会場の都合上ということで、オーナー債権者の参加の自粛を求められていましたが、長く安愚楽牧場の顧問弁護士をつとめる、土屋東一弁護士の参加を得て、 質疑が活発になされていたこともあり、もったいない感じがしました。

6 次回期日は、下記のとおりと決まりました。
   記
  平成25年1月30日午後1時半から~
  東京簡易裁判所の建物5階 200名以上は入れるそうです。

7 ちなみに、安愚楽牧場の破産債権者集会は、来年1月22日午後1時30分から、日比谷公会堂で、予定されています。
  債権者集会が続きますが、被害を風化させないためにも、ぜひご参加ください。





2012/6/02-1    2012年5月30日付け債権者集会配布資料

1 5月30日、安愚楽牧場の第1回債権者集会が開かれました。弁護団は、事前に元社長ら会社役員の出席を求めていたにもかかわらず、出席義務のある三ヶ尻久美子元社長は、うつ病と不眠症を理由に欠席しました。 ⇒ 2012年5月24日付要請書

 債権者集会の中で、裁判所からは、「入院もしていないのに欠席は認められない」「引き続き出席を求めていく」という発言がありました。

 さて今回の債権者集会ですが、1回では、日比谷公会堂の収容人数(約2100人)との関係で収容しきれない恐れがあるため、

1 第1回13時30分から3時   裁判所主催の債権者集会

2 第2回午後4時30分から6時 管財人の説明会

3 第3回午後7時から8時30分 管財人の説明会

と3回に分けて開催されました。

 このような取扱いはきわめて異例なことです。

実際、1回では入りきれず、
1回目は、満員の約2000人超

2回目は、約800人

3回目も、約800人

の債権者(その多くは、オーナー被害者)が集まりました。

 そのうち1回目の説明会が正式なもので、管財人団とともに、裁判官、書記官、そして元安愚楽牧場の代表取締役である三ヶ尻久美子の代理人である栃木義宏、柳沢憲 両弁護士が参加して開催されました。

 各回とも、冒頭20分程度は、配布資料に基づき、管財人側からの説明でしたが、その後の質疑応答では、会場からの質問はまったく途切れず、熱心に、質疑がなされました。

 当日の開場の様子は、弁護団長の紀藤のBLOGの該当ページをご覧ください。

 次回の債権者集会は、来年1月22日午後1時30分、同じ日比谷公会堂

と指定されました。

 債権者集会に多数の被害者が集まり熱心に意見を述べることこそが、事件を風化させず、裁判所と管財人に、この事件の処理を真剣にさせることになります。
 次回も、ぜひご参加ください。また今回参加いただけなかった被害者の方は、ぜひ、今から計画していただき、参加していただきますよう、お願いします。


 情報の偏在が気になります。情報の配当という趣旨からも、弁護団へ依頼していただければと思っています。

 
2 当弁護団主催の説明会としては、 弁護団ニュースでお知らせしたとおり、次回は7月2日の三ヶ尻久美子の債権者集会後の夕方、安愚楽牧場の破産債権者集会と三ヶ尻久美子元社長の破産債権者集会を受けて、その説明のため、弁護団の依頼者向け説明会を開催する予定です。

 なお三ヶ尻久美子元社長の債権者集会ですが、
1 債権者集会は、2012年7月2日午後1時30分 場所⇒東京簡裁棟5階(東京地裁民事20部集会場)と定めれれていますが、会場は、日比谷公会堂と異なり、100人超しか入りきれず、混乱をきたすおそれがあります。

 そのため弁護団の依頼者向け説明会に、破産管財人の柴田祐之弁護士⇒http://www.lmlo.jp/affiliate04.htmlが来られて、債権者集会の内容などについて説明していただく予定としていますので、依頼者においては、可能な限り、弁護団の依頼者向け説明会に来てくださいとの、破産管財人の要請を受けています。

2 また債権届出の期限は、2012年2月8日 ⇒ 2012年6月25日  ⇒ さらに本年12月25日まで延期されています。

3 当弁護団の方で破産させた三ヶ尻勲ですが、4月、同人の病気による死亡が確認されています。
  但し今後も、遺産処理も含めて、柴田破産管財人の処理が継続されます。心配されないようにお願いします。





2012/6/02-2  

 最近、2次被害の相談があいついでいることもあり(当弁護団への相談は350件を超えています。)、当弁護団は、今回の債権者集会で、午前11時から、次のような「たすき」をかけて、列に並ばせていただきました。

 安愚楽牧場の2次被害に注意!! 全国安愚楽牧場被害対策弁護団


 [参考]→国民生活センター=安愚楽牧場に関するトラブル速報!第4弾-「隠し財産が見つかった?」被害を取り戻すという二次被害トラブル急増!

 本日までに、弁護団に相談のあったオーナー被害者で、実際に実被害のあった方が7人おられますが、そのうち6人までが、弁護団に加入されていない方です。5000万円を超えた被害者も出ています。

 弁護団では、依頼者向けに、適宜、ニュースも発行しています。説明会も開催しており、安愚楽牧場被害の現状を報告しています。





2012/3/26 

 本日、2012年3月25日付けアピールを、

 内閣総理大臣野田佳彦、
 内閣官房長官藤村修、
 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)松原仁、
 農林水産大臣鹿野道彦、
 消費者庁長官福嶋浩彦、
 参議院議長平田健二、
 衆議院議長横路孝弘

 計7者に送りました。


 ⇒





2012/3/25  

 本日、午後12時30分から、東京の日比谷公会堂で、全国安愚楽牧場被害対策弁護団は、依頼者向け説明会を開きました。心配された雨も降らず、そして寒くもなく、今日は、天候に恵まれました。

 約1000人の依頼者被害者と、他に、参加弁護団として、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、東海(愛知、三重、岐阜)、京都の8弁護団が、説明会に参加されました。

 説明会の最後に、説明会に参加したすべての弁護団と被害者一同で、下記アピール文を採択し、閉会しました。

 明日には、同文を、政府(松原仁消費者担当大臣)らに送付する予定です。


アピール


201181日,株式会社安愚楽牧場は,配当,預託金返還等が困難となり事実上破綻し,民事再生手続が開始された。しかし,現経営陣を温存した形での破綻処理はうまくいくはずがなく,同年129日,破産手続開始決定となった。出資者は約73000人,出資金額は約4300億円とされ,被害者数,被害金額からすれば,戦後最大の投資被害事件といえる。

全国各地の被害対策弁護団は,結成当初より,安愚楽牧場のビジネスモデル自体の問題性,違法性,現経営陣による資産管理・経営状況の不透明さ,破綻に至る経緯についての問題性などを指摘してきた。そして,様々な調査の結果,こうした安愚楽牧場による和牛預託商法の欺瞞性が明らかになりつつある。

私たちは,今後も,裁判所や破産管財人と協力しつつ,安愚楽牧場から散逸している財産を早期に回収するだけでなく,関連会社や役員の責任追及等を通じて,できるかぎりの多くの被害回復及び情報の公開がなされるよう求めていく所存である。

加えて,私たちは,本件の被害拡大については,消費者行政を担うべき国の責任が重大であると考える。

すなわち,20111130日,消費者庁は,安愚楽牧場に対して,景品表示法違反(優良誤認表示)として,措置命令(違反事実の公表をすること)を行った。同庁はその内容として,安愚楽牧場の繁殖牛の全頭数が,オーナーの持分及び共有持分を合計した数値に比して過少であった(2007年以降で55.969.5%)ことをあげる。しかし,和牛預託商法は既に1997年には社会問題となり,大半の業者が破綻したなか,安愚楽牧場とふるさと牧場のみが生き残ったところ,2007年にはふるさと牧場が破綻し,農水省が預託法違反等により行政処分をし,翌2008年には同社の役員が刑事事件で立件される事態となった。そして,2009年には所轄官庁が消費者庁に移管されたものの,この間、安愚楽牧場については破綻後に至るまで何ら実質的な調査等は行われなかったのである。

他方,安愚楽牧場は,2009331日時点でオーナー数約48000人,出資額約2900億円だったのが,破綻時にはオーナー数約73000人,出資額約4300億円へと急激に拡大していった。

こうした状況に鑑みれば,所轄官庁による実質的な調査が迅速になされていれば,こうした被害者,被害金額の拡大は十分防げたはずである。

私たちは,農水省・消費者庁、すなわち国に対し,消費者目線がまったく欠如した消費者行政の不作為の結果生じた本件被害について,責任を認めて謝罪をするよう求めるとともに,被害に対する補償,徹底した情報公開と再発防止策の確立を求める。

 

2012325

安愚楽牧場被害者及び被害対策弁護団一同




 既に報道がなされていますが、告発の話は、全国安愚楽牧場被害対策弁護団から出た話ではなく、千葉、埼玉、栃木、東海各弁護団から出た話ですので、共同通信が正確です。

 
安愚楽牧場:旧経営陣を刑事告訴へ 被害対策弁護団 毎日新聞 2012年3月25日 19時49分

 「和牛オーナー」制度で出資会員を集め、経営破綻した「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)について、全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は25日、千葉、埼玉、栃木、愛知の4県警に当時の経営陣を詐欺容疑などで刑事告訴する準備を進めている、と発表した。東京都千代田区で開いた被害者への説明会で明らかにした。

 今年2月には、大阪府内の出資者が府警に告発状を提出しており、全国の被害対策弁護団が連携し、刑事・民事両面から旧経営陣の責任を追及する方針。警視庁にも被害を相談しているという。

 安愚楽牧場は昨年8月、東京地裁に民事再生法の適用を申し立て、同12月に破産手続きに移行。破綻時には約7万3000人の会員が同社に約4300億円を出資していたとみられる。【浅野翔太郎】

安愚楽牧場告発へ 出資者弁護団 共同 2012年3月25日 18時31分

 和牛オーナー制度が行き詰まり、破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)について、東海地方(愛知、岐阜、三重)と栃木、埼玉、千葉各県の出資者の弁護団は25日、詐欺容疑で告訴・告発することを検討している、と発表した。

 全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)が東京都内で開いた出資者向けの説明会で、各地の弁護団が明らかにした。

 この日の説明会には約千人が参加。紀藤弁護士は「役員の個人責任は追及するが、それだけでは回収できない。安愚楽からの報告を怠った消費者庁を含め、国の責任を明らかにしていく」と述べた。







2012/3/22  
 
 ようやくですが、破綻した株式会社安愚楽牧場の役員であった元取締役の増渕進と同三ヶ尻勲に対して、3月19日付で、破産が決定しました。本日、たった今、裁判所から、決定書が送付されてきました。
 破産管財人は、三ヶ尻久美子元社長と、同一の柴田祐之弁護士です。あわせてお知らせします。

 □増渕進 破産決定書=.pdf
 □増渕進 破産手続開始通知書=.pdf
 □三ヶ尻勲 破産決定書=.pdf
 □三ヶ尻勲 破産手続開始通知書=.pd
 

 実は、全国安愚楽牧場被害対策弁護団では、三ヶ尻久美子元社長への破産決定に一定の目処がついた昨年12月22日に、両者に対し、被害者6名(依頼者の代表者として6名をピックアップさせていただきました)を債権者とする破産申し立てを行っていました。この間、1月25日、2月16日、3月8日と3回の期日を経て、両者からは反論が出されましが、3月8日に終結し、裁判所の決定を待っていました。
 決定により、当弁護団の、両者に役員としての責任があるとの主張が認められ、今回の破産決定に至りました。

 これら弁護団の活動は、これまで水面下で行ってきましたが、このたび決定が出されましたので、公表します。

 当弁護団としては、今後もいっそうの努力を続ける予定です。

 なお今週日曜日(25日)に、全国安愚楽牧場被害対策弁護団において、依頼者向けの弁護団説明会を東京都内で開きます。
 但し、今回の説明会は、依頼者向けのみの説明会と企画していますので、依頼者以外は入場できません。
 入場方法につきましては、既にご送付した全国安愚楽牧場被害対策弁護団ニュース1号をごらんください(なお当弁護団が事前に了解した栃木、千葉、埼玉、群馬、新潟、東海、京都の各被害対策弁護団の依頼者の方につきましては、入場が可能です。入場方法につき、事前に、当該弁護団に、ご確認ください。)。





2012/2/1  

 既に報道されているとおり、1月10日付で、三ヶ尻久美子元社長からの自己破産(経緯については、下記2011/12/21のニュースに記載)に対しては、弁護団から申し立てた債権者破産の申し立てと併合されました。

 弁護団は、昨年12月2日、水面下の動きとして、オーナー債権者を債権者として、東京地方裁判所に対し、安愚楽牧場の代表取締役社長の三ヶ尻久美子への破産申立てをしており、この動きに対抗したのが、三ヶ尻久美子元社長が自ら申し立てた自己破産でしたが、これにより、三ヶ尻久美子元社長の目論見は崩れました。

 
安愚楽、社長の負債2700億円 一部出資金含む

 和牛オーナー制度が行き詰まり、負債約4300億円を抱え破綻した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)の三ケ尻久美子社長の自己破産について、東京地裁は10日、和牛預託商法の出資者に対する負債の一部も、社長個人の負債に含める決定を出した。負債総額は約2700億円に上る見込み。

 三ケ尻社長は同地裁に自己破産を申請し、昨年12月に負債約2億円で開始決定を受けたが、全国安愚楽牧場被害対策弁護団の紀藤正樹弁護士らが、債権者破産を申し立てていた。弁護団は別の役員2人についても債権者破産を申し立てている。

 紀藤弁護士は「役員の責任を認める決定で大変意義がある」と評価した。

2012/01/10 23:03 【共同通信】


2012年1月10日付併合決定書=PDF

 この併合により、2012年1月30日付官報=PDFにより、三ヶ尻久美子元社長への債権届け出の期限が、2012年2月8日から、2012年6月25日に変更されています。これは債権者数が自己破産の14名から、破たん時の約7万3000人に増加することから、裁判所が再設定した期日です。

 なおこの併合によっても、裁判技術の問題として、オーナー債権者には、裁判所からは、原則として、債権届出の通知が届きません。この点が、法人である安愚楽牧場の破産手続と大きく異なります。ご注意ください。
 
 この点、全国安愚楽牧場被害対策弁護団にご依頼の依頼者の方につきましては、弁護団が把握している債権者として、一括して、三ヶ尻久美子元社長の破産管財人である柴田祐之弁護士に、債権届出をする予定です。

 なおこの間、栃木県内の安愚楽牧場の本社も含めて、宮崎県警が、口蹄疫問題にからみ、獣医師法の関係で、家宅捜索をしていたこともわかっています。

 
破産の安愚楽牧場を家宅捜索 獣医師法違反容疑

 破産した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県那須塩原市)の男性獣医師が、宮崎県内の同社農場で牛を自ら診察せずに医薬品投与などを繰り返した疑いがあるとして、宮崎県警が獣医師法違反容疑で安愚楽牧場本社や、宮崎県内の農場など数カ所を家宅捜索したことが19日、捜査関係者への取材で分かった。

 口蹄疫の被害に遭った宮崎県川南町の畜産農家の男性2人が昨年10月、同容疑で獣医師を告発。県警は、この獣医師や、牧場の元従業員などから任意で事情を聴いた。

 捜査関係者によると、家宅捜索は昨年12月中旬、本社や児湯第7牧場(宮崎県川南町)など数カ所で実施した。

2012/01/20 02:02 【共同通信】


=口蹄疫問題は消費者問題でもあります。安愚楽牧場と口蹄疫事件との関連の問題については、弁護団長である紀藤正樹のBLOGをご参照してください。




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